みねやま番外編'08
立山連峰、残雪風
岩を睨む。
目の前の足が遠くなる。
息遣いも荒く、震える足を次の岩に掛ける。
頂までの距離は一向に狭まる気がしない。
前も、右も、左も岩。
違う景色を求めても、一つしかないことは分かっている。
恐る恐る、振り返り這い登ってきた道を見下ろすも、
風に煽られ、視線は雲海に消えていった。
中学三年生、夏の行事は入学した頃から待ち焦がれていた立山キャンプ。
憧れの地に向かって僕達はバスに揺られているのです。
残念ながら、立山周辺一帯は特別保護地区につき動植物の採集が禁じられています。
花を掬うことも、PITを仕掛けることも出来ません。
でも折角だから、と休憩に寄るサービスエリアに一抹の望みを預けて採集道具をリュックに詰め込みました。
とはいっても、流石に捕虫網は家でお留守番です。
昼食は尼御前SAにて。
裏に回って公園を抜けると、
Just a spectacle!
海岸付近は松林になっていて、目の前の杭の上には、
Buprestis haemorrhoidalis japanensis クロタマムシ
満足してバスに戻ります。
そして、トランプにも疲れた頃...
到着。もう寒いの何の。
荷物を置いてすっこ(仮HN)君と外出。
外に出ているのは僕達二人だけでした。
やがて、皆も出てきて...
高山のなせる酸素の薄さを実際に走って痛感するのでした。
雲海に沈む太陽。
明日はいよいよ登山です。
でもまだ頭が少し、痛いです。